PEOウィークリー  4/24から4/30のPEファンド情報をラップアップ

4/24から4/30のおもなPE案件

新規投資3件(うち1件追加投資)、エグジット2件発表された。それ以外に持ち分の市場売却報道や買収提案の報道もあり、活発な週であった。決算発表前に案件を正式発表するギリギリのタイミングであったことが影響している様子。

自動車やモバイル端末向けのエレクトロニクス関連部品の製造・販売を行うポリマテック・ジャパン社は、積水化学工業及び稲畑産業により買収された。2012年11月にシティック・キャピタル・ジャパン(以下、CCJ)はポリマテックの民事再生スポンサーとして、当社への投資している。

急激なスマホ化への対応の遅れなどにより急速に業績を悪化し民事再生に至った当社を5年にも満たない期間で、スマホそしてスマホだけにとどまらないカーエレクトロニクス部品のニッチトップ企業へ飛躍させたCCJの取り組みは大変興味深い。また売却先としても積水化学工業と稲畑産業という相当シナジーの見込めともに成長分野を深掘りできる先が選定された。

CCJがスポンサーに当社のスポンサーに就任せずに、仮に当社の事業がそのまま消滅していたら?かなりの高い確率で、当社が手がけている事業はアジア系の海外企業に席巻されていたのではなかろうか?ファンドがスポンサーに就任し、これを本邦企業に成長分野として手渡していく姿は素晴らしい投資であったと言える。

市場を賑わせていた日立国際の売却先がKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)及びJIP(日本産業パートナーズ)に決定した。昨年11月のカルソニックカンセイ社、本年1月の日立工機社の買収に次ぐ、大型案件ラッシュの第三弾となった。この過去6ヶ月の本邦の大型案件をKKRが席巻している状態は誰の目にも明らかである。もちろんこの規模の案件に日本で投資できるグローバルファンドは他にも十分ある。

この案件も去ることながら、先日の東芝半導体に関する報道から、KKRが東芝半導体に出資する可能性は十分あると感がられるので、第4弾が来るのかどうか楽しみな展開である。

ニトリによるカチタス社株式の3分の1超をアドバンテッジ・パートナーズから取得したことは大きな驚きであった。PEO編集部の知る限り、ニトリはこれまでM&Aをやってきていない、もしくはやれていなかった。約1.6兆円の時価総額、約980億円のEBITDA、約360億円の営業CF(ともに17/2期)があってM&Aをほぼ全くやっていないのは普通ではない。それでいて今でも成長を遂げていることがすごい企業である。

実はこれまで様々なアパレルやホームセンターの売却案件でニトリは買い手候補には上がっていたようだ。相当慎重に案件を選んでいたものと思われる。そのニトリの初案件であることから、このニトリ+カチタスには相当な可能性があったのであろう。

おうち買取全国No1のカチタスは最近流行りのマンションをスケルトンからリノベする買取再販業者と違い、戸建て(おうち)に特化した買取を行っている。渋谷駅地下の築40年のフルリノベマンションに住む住人と、高崎駅徒歩20分のカチタスが販売する中古リノベ物件に住む住人、どちらがニトリが狙いたい客層かは明らかであろう。

カチタスは今後上場する方針とのことであるが、その成功のためにも最高のパートナー株主を得たと言えよう。

PEO編集長

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