CLSAの投資する美容院チェーンのFCとの資本提携ー成長戦略に見せるPEファンドの「力技」

2018年8月24日、CLSAキャピタルパートナーズ(以下「CLSA」)はアドバイザーを務めるSunrise Capital III(以下「サンライズ・キャピタル」)の投資先である株式会社AB&Company(本社港区、以下「AB&C」)が、株式会社Puzzle(本社:宮城県仙台市、代表取締役: 丹内 悠佑、以下「Puzzle社」)との資本提携に合意したことを発表した。AB&CからPuzzle社に出資するが、そのための資金をCLSA社がAB&Cに追加出資するという。

CLSAは「Agu」ブランド名で全国展開する美容室チェーンの運営会社であるAB&Cの過半数を本年3月に取得しており、本件は、そのAguブランドの最大のフランチャイジーとの資本提携という位置づけである。Aguブランドは約300店舗を運営しており、そのうち70店舗をPuzzle社が運営している。Puzzle社は子会社を有しておりグループ全体で300店舗を運営している。

本件資本提携の狙いはなにか?CLSAのリリースには触れられていないが、本件資本提携はAguブランドの成長を加速することを狙っていると見ている。2018年3月のCLSAによるAguグループへの投資に当たり、運営店舗数を約300店舗から約1,000店舗まで増やすことを発表している。

Agu グループ市瀬一浩のコメント 「Agu グループは、美容室運営を通じて、お客様に対する高い満足と、スタイリストの自由な働き方 を提供してまいりました。これまで全国に約 300 店舗を展開してまいりましたが、近い将来 1,000 店 舗を実現することで、Agu グループの理念やビジネスモデルを全国により浸透させていきたいと考 えております。
出所:CLSAニュースリリース

Puzzle社は特に東北地域において美容院の店舗開発力を有していると想定される。複数の美容院チェーンを運営するPuzzle社との関係を強化することにより、今後Puzzle社が出店する店舗は、他ではなくAguブランドとすることもできる。更に言えば、Puzzleグループ全体で現在運営する300店舗のうちAguブランドではない230店舗は機をみて、Aguブランドに変更していくことも可能かもしれない。まさに「力技」での店舗展開であり、成長に対して強いコミットと資金力を有するPEファンドならではの戦略と言えるであろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です