日本産業推進機構と創和プロジェクトとの資本業務提携ーPEによる事業承継の促進

2018年5月18日、日本産業推進機構(以降「NSSK」)は傘下のファンドを通じて創和プロジェクト株式会社(本社:北海道札幌市 http://www.sowaproject.jp、以降「創和プロジェクト」)との資本業務提携を行ったと発表した。創和プロジェクトは1986年に設立された企業で、ウエディング衣装並びにアクセサリーのレンタル、札幌市内において披露宴会場(3施設)及び教会(1施設)を運営し、年間約1,000件の挙式披露宴を手がけている。

日本経済新聞の記事によると「経営者の高齢化に伴い事業を引き継ぐ」ということであり、事業承継案件であると推察される。NSSKは業務の効率化やガバナンスの強化に加えて、首都圏での展開による事業成長を支援し、将来的に上場させることを着としている。

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NSSKは元日本代表の津坂氏などTPGキャピタル出身者を中心に創立された。TPGキャピタルは米国の最大級のPEファンドである。それ故かNSSKのロゴの雰囲気はTPGキャピタルのそれに類似しているように見える(左がNSSK、右がTPGキャピタルのロゴ。昨年9月に2号ファンドの募集を終了し、最終的には当初目標総額を超える600億円を達成した。NSSKにとって創和プロジェクトへの投資は5社の投資である。

NSSKは投資先として地方の優良企業の発掘に力を入れている。特に地方での事業承継は本邦産業に於ける重要な課題である。経済産業省の調査によると2017年からの10年のうちに70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は245万人、うち約半数の127万人は後継者が不在という状況である。NSSKのような地方に於いて中堅中小案件に投資するPEファンドは地方産業の維持・再生に於いて重要な役割をはたすことが期待される。

 

 

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