新生レンブラントパートナーズによる京商の再生ー事業会社による再生投資のトレンド

2018年4月16日、ホテル運営のレンブラントホールディングス傘下の株式会社レンブラント・インベストメント、新生企業投資株式会社が共同で設立した新生レンブラントパートナーズ1号投資事業有限組合は、京商株式会社(本社:神奈川県厚木市、以降「京商」)に対する投資を4月13日付けで実行したことを発表した。京商はラジオコントロールカー(以降、「RCカー」)に強い老舗玩具メーカーであり、日本経済新聞によると最盛期には150億円あった売上高は、現在では約30億円程度まで減少し、営業赤字が続いている様子である。

最近のPE案件は主に事業承継と大企業のカーブアウトによるものが多く、企業再生案件は必ずしも多くない。2000年代前半は、まだ大手銀行の不良債権処理が進められており、その流れから企業再生案件は多く存在していた。そのような環境下、再生案件に強いファンドも多く存在していた。しかし、近年はこのような再生案件は大きく減少し、それらの再生案件に強いファンドも少なくなってきている。

レンブラントホールディングスはPEではなく事業会社で、ユニークな投資主体である。2017年には日本最古のハンバーガーチェーンと言われるドムドムバーガーをダイエーから買収した。おそらくホテル事業などから生まれるキャッシュフローをこのような投資事業に投下しているのであろう。同様に事業会社でファンド的な再生投資をしている企業としてRIZAPがあげられる。

帝国データバンクの調査によると2017年の倒産件数は8,376件で8年ぶりに前年比増加に転じた。受け皿となる再生型のPEファンドは少ないため、レンブラントホールディングスやRIZAPなどの事業会社が企業再生の受け皿となっていくケースは今後も増えていくと見ている。

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